インターネットで気になる著作権
2007年06月18日00:49
著作権の問題、ブログなどをやっていると、どうしても気になります。
著作権に関してもう一度考えてみたいと思います。


今回、1冊の本で、著作権について改めて考えるきっかけとなりました。FLASHやJavaScriptの本を買おうかと考えていたのですが、難しすぎて頭がパンクしそうでした。そこで目に留まって手にとり、すらすら読めそうなので思わず買ったのがこの本です。お値段1300円で、買っちゃった時にはどうなんだろ、と思いましたが、読んでみるとインターネットで気になっていたことがいろいろと解説されていたので、私的にはそれだけの価値のある買い物となりました。

2ちゃんねるで学ぶ著作権

「2ちゃんねるで学ぶ著作権」は、2ちゃんねる管理人ひろゆき氏、アスキー編集部の方、弁護士の牧野和夫氏の3人が行った著作権に関する対談をまとめた本です。

ところでまず、著作権って何なんだろ、というとこから入りたいと思うのですが、ブログで自分が書いた文章や自分が作った画像などを勝手にパクられたら、困りますよね。
文章や画像など生み出した権利は無いのか?と思うでしょう。
生み出したもの「著作物」に対する権利はあります。それが「著作権」です。

日本では著作権に関することや、著作権を侵害した際の罰則に関して「著作権法」で定められています。
著作権法の中で「著作物」とは、「思想または感情を創作的に表現したもの」と定めらており、短く事実を述べただけの一文や、統計的な数字などは、著作権が認められないようです。

■著作権に関する解説ページ

ドラえもんがインターネットのルールとマナーを簡単に説明しているサイト。小学生向け。
著作権に関するページがこちら。
著作権(ちょさくけん)について

ウィキペディアの著作権に関するページ
著作権 
著作権法
著作権侵害
著作権の保護期間

いろいろ調べてみて思ったのですが、私自身よくわかってなかったことがたくさんありました。

著作権侵害に対しては、民事裁判で損害賠償が請求されるだけでなく、刑事罰もあります。
今のところ3年以下の懲役や300万円以下の罰金が科せられるようです。
また、法人の罰金は1億円以下の罰金みたいで、痛そうです。
「著作権法における罰則規定の概要」に関するページはこちら。
文部科学省、文化審議会の配付資料(平成14年11月19日)
著作権法における罰則規定の概要

それから、著作権侵害罪は親告罪であり、基本的に著作者が告訴しなければ、成り立たないみたいです。
そうでないケースもあるようなので注意が必要ですけども。

また、日本では著作者の死後、50年経過すると著作権は消滅するそうです。
ただ、映画は公表後70年保護されます。外国では微妙に期間が違うので注意が必要です。

「2ちゃんねるで学ぶ著作権」では、いろいろな実例を交えて著作権に関する問題が書かれていました。
以前から疑問に思っていたことに関する記述もいくつかありました。

<疑問その1>顔文字に著作権はあるのか?
(^0^)
↑このようなごく短い顔文字に関しては、どうやら著作権は認められないようです。
例えば本の題名など短いフレーズのものは著作権は認められないらしいですので。
また、思想または感情が創作的に表現されたものか判断がつきにくいし、誰が著作者か証明が困難ということもあるようです。
例えば、(^0^)この顔文字の著作権を主張しようとすると、(^_^)この顔文字の改変だ、という方が現れるかもしれません。
現実的にどの顔文字がどの人の作、というのは証明しようが無い可能性が高いと思われます。
ただ、これがAA(アスキーアート)のように複雑になったものであれば、著作者が特定される可能性もあるし、思想または感情が創作的に表現されたもの、と判断がつきやすくなるかもしれないです。だから、サイトでは顔文字は使っても、AAは使わない方が無難かもしれません。
短い顔文字を限定的に使うのは、たぶん著作権に触れる可能性は低そうです。


<疑問その2>掲示板での匿名の書き込みに著作権はあるのか?
匿名で行った書き込みにも著作権はあるようです。
ホテル・ジャンキーズ事件というものがあり、匿名の書き込みに著作権があるか、という争点で実際に裁判がありました。
「ホテル・ジャンキーズ・クラブ」というホテル関連のWebサイトにある掲示板の管理者が、掲示板の書き込みを無断で使用し文庫本(「世界極上ホテル術」を出版したことに対して、掲示板にハンドルネームで書き込みを行った11人が2001年10月出版・販売差し止めと約250万円の支払いを求めた訴訟を起こした事件です。結果、匿名で行った書き込みにも著作権は認められ、11名の原告に賠償金が支払われています。

ITmediaニュース:BBSの匿名書き込みに著作権認める 東京地裁
判決結果(pdf)


<疑問その3>2ちゃんねるでのニュースのコピペは著作権侵害にならないのか?
コピペした記事にはもちろん著作権はあるのですが、コピペが著作権侵害になるかは微妙なところのようです。
著作権法では著作物を保護する一方、「引用」が認められています。
質的にも量的にも引用先が「主」、引用部分が「従」である、出所を明示する、などのいくつかの条件を満たせば引用するのは問題ないようです。

ウィキペディア
引用

2ちゃんねるにおいて、ニュースのコピペがその条件を満たしていれば引用は正当なものとして認められるわけです。ただ、引用として本当に認められるかどうかなどは個々のケースにより違うと思われます。
著作権法は現在は親告罪なので、新聞社が、2ちゃんねるもしくは2ちゃんねるにニュースをコピペした人を告訴しなければ著作権侵害にはなりません。現在は、なかば黙認になっているということでしょうか。
2ちゃんねるにニュースがコピペしてあるからと言って、個人サイトでガンガンにニュースをコピペしたりはしない方がいいと思います。
記事に直接リンクを貼らないでください、とサイトに明記してある新聞社もあるくらいですから、さらに引用となると、どうなるかわからないですね。


<疑問その4>RSSに著作権はあるのか?
以前、RSSの注意点という記事を書き、その中で「見出しに著作権は認められなかった」ことについて触れています。
これは、
見出しに著作権が無いなら、サイトにニュースのタイトルだけのRSSを表示しても問題ないような気がしていましたが、下記の記事をよく読むと、ニュースの見出しを配信していた行為は、不法行為として認定され、額こそ少なかったものの損害賠償を命じられていたようです。

Internet Watch:見出しの無断配信は不法行為、知財高裁が読売新聞の訴えを一部認める判決
Internet Watch:記事見出し配信訴訟、読売新聞側の訴えを一部認めた控訴審判決が確定
ITmediaニュース:新聞見出し無断ネット利用に賠償命令 著作物性は再び否定
スラッシュドット ジャパン | 見出し無断配信裁判、知財高裁で賠償命令、著作権は認めず


この裁判は、デジタルアライアンス社が行っていたニュースリンク配信サービス「LINE TOPICS」に対して読売新聞社が見出しの使用差し止めと損害賠償を求めたものです。2002年12月に読売新聞社が訴えを起こし、損害賠償約6800万円を求めていました。新聞の見出しの著作物性が争点となっており、2004年3月の東京地裁判決では読売新聞社側の請求は退けられました。控訴審判決では、新聞の見出しの著作物性は認められなかったものの、デジタルアライアンスが行なった記事見出しの無断配信は不法行為にあたるとして、一審判決を一部変更、23万7,741円の損害賠償を命じたました。
著作権は認められなかったものの、見出しの配信すら、あるていどのリスクがあるんだなあ、と思いました。
また、RSSは見出しだけでなく、記事の要約なども配信されており、これをサイトに表示すれば簡単に充実したように見えるサイトができそうですが、これをやるのは、もろ著作権損害にあたりそうです。
利用許諾が無い限り、RSSのサイトでの表示は気をつけた方がよさそうです。


<疑問その4>2ちゃんねるのまとめサイトは著作権的には問題ないんだろうか。
利用規約が特に明記されていないころの2ちゃんねるであれば、匿名であれ、書き込みを行った人に著作権がありますので、著作者がまとめサイトに著作権を主張することはできたと思います。
「2ちゃんねるで学ぶ著作権」の本の中で、2ちゃんねる利用規約は、書き込みの著作権は2ちゃんねるに譲渡する、というものに変更されたと書かれてあり、ひろゆき氏はさらに規約を変えるかも、と語っていました。
書き込みの際に規約が表示され、それに同意してから書き込みをする形式になっているらしいので、書き込みされる方は確認をされてみてください。
利用規約が改定され、著作権が2ちゃんねるに譲渡されるようなものになっているのであれば、2ちゃんねるがまとめサイトに著作権を主張することができるのかもしれません。
本の中でひろゆき氏は、2ちゃんねるのものは、利用者みんなで利用できるようにしたい、というニュアンスの発言をされており、非合法な組織などが活動資金を得るために2ちゃんねるの内容を利用したりするのでなければ問題にしないような感じでした。私がひろゆき氏の気持ちを読み取れていないのかもしれませんので、保障はいたしかねますが。


ネットにおける著作権の問題は、「引用」の解釈も含めて、いろんな解釈ができそうです。
もし、行列ができる法律相談事務所に相談が寄せられたら、どんなケースも、もめそうな気がします。
原則や判例はあるにせよ、裁判になればたぶん、個々のケースで裁判の結果もいろいろではないでしょうか。



<インターネットでの著作権侵害による逮捕者>

Internet Watch:コミック無断配信サイト「464.jp」の運営者ら、著作権法違反の疑いで逮捕
Internet Watch:コミック無断公開の「464.jp」運営者らに有罪判決
スキャンした5万冊のコミックをアップロードし、無料で自サイトで公開。
主犯格の男性に懲役2年執行猶予3年、罰金50万円の実刑判決。

アフィリエイト収入が目的--書籍の無断ウェブ掲載で逮捕 - CNET Japan
アフィリエイト収入を得るために、学習研究社が発行する「最新版 香水の教科書」の文章を無断で複製・掲載。学習研究社からの二度の削除要請に従わなかったとのことで逮捕。


極力、著作権を侵害しないように、ネットで細々と暮らしていきたいものです。


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この記事へのコメント
紫ママ色
紫ママ色
2007年06月19日 19:28
5

詳細は今はまだ公表出来ないのですが…、
現在、この「著作権法」に関わっております〜。
(めっちゃ!しんどいです。。。(涙))

で、訂正箇所がありますので、
ご報告まで。

平成16年改正(平成17年1月1日施行)で、
著作権侵害罪等の罰則の引き上げが行われて、

<個人罰則>
懲役刑 3年以下→5年以下 に引き上げ
罰金刑 300万円以下→500万円以下 に引き上げ
※併科(懲役刑と罰金刑の両方を科せる)が可能になりました。
 (改正以前は、併科は出来ませんでした)

<法人罰則>
罰金刑 1億円以下→1億5千万円以下 に引き上げ

と、なっています。
インターネットの普及に伴い、かなり厳しくなりました。

以上です〜。
よろしくお願いします^^

afiliate
紫ママ色さま。どおも〜。
あらら、本職!?

それは置いておいて、早速の詳しいご指摘、ありがとうございます&お恥ずかしい限りです。他にも変なところがありましたら、ガンガン突っ込みいれてあげてください。
やっぱり私、どこか抜けてるのがデフォルトですので(笑)。

自分でも探してみました。
http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime8.html

たすかります〜。m(_ _)m


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