2008年09月03日21:33
『FORTUNE ARTERIAL』紅瀬桐葉(裏)ルート・5このエントリは続きものです。
読む前に、上のエントリから読まれて下さい。
『FORTUNE・ARTERIAL』紅瀬桐葉(裏)ルート・6
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翼ちゃんの動きに迷いは無い。
5メートルの高さをジャンプし、着地したその足で、桐葉に向かって一直線に飛んでいる。
格闘技など無縁な俺が見ても、それは、殺気が凝縮された蹴りだった。
寸分の狂いも無く桐葉の顔面を狙っている。
俺は息を呑んだ。
この動き。人間じゃない・・・
【孝平】「桐葉!」
思わず、俺は、叫んだ。
桐葉は、手に持っていた荷物から手を離し、そのまま後ろにバック転して蹴りをかわした。
桐葉の黒髪が宙に広がる。
バック転から着地した桐葉は、そのまま翼ちゃんの顎をめがけて蹴りを放った。
桐葉の蹴りにも、遠慮は無かった。
相手が人間ではない事を、桐葉は俺よりも早く感じ取っていた。
少しのためらいが命取りになる。
それを理解している事が伝わってくる蹴りだった。
桐葉の蹴りが、僅かにかわされ、翼ちゃんの頬をかすめる。
頬の皮膚が切れ、一瞬おいて、血が吹き出した。
駐車場の外灯に、血の赤い色が照らされる。
現実感の無い、赤。
夢であれば覚めて欲しい、悪夢の色だ。
アスファルトに着地した翼ちゃんが、無造作に血をぬぐう。
翼ちゃんと桐葉が、間合いを取りあう。
あまりの出来事に立ち尽くしていた俺達。
俺は、ようやく我に返った。
【孝平】「司!
桐葉と翼ちゃんから離れろ!かなでさんを頼む!!」
俺の声に司が反応し、かなでさんの手を掴んで、桐葉と翼ちゃんから距離を取る。
東儀先輩は白ちゃんの手を取って、走った。
俺は陽菜を抱きかかえるようにして、桐葉と翼ちゃんから離れる。
次の瞬間、桐葉がアスファルトを蹴って、前に出た。
右の蹴りのフェイントを入れ、左上段の蹴りを翼ちゃんのこめかみに放つ。
翼ちゃんは、後ろに大きく飛んで蹴りをよけた。
だが、桐葉の左上段の蹴りは、そのモーションが途中でかき消されていた。
それもフェイントだったのだ。
モーションをかき消して着地した桐葉は、まだ着地し終わっていない翼ちゃんに向かって全力で飛んだ。
桐葉の体が、翼ちゃんの懐に入る。
そのままの体勢で二人はアスファルトに着地した。
桐葉の左肘が、翼ちゃんのみぞおちにめり込んでいた。
ゆっくりと、翼ちゃんから体を離す桐葉。
翼ちゃんの体が崩れ落ちる。
桐葉は、そのまま翼ちゃんの体を受け止め、抱きかかえた。
【司】「翼!」
桐葉と翼ちゃんに、司が駆け寄る。
俺も司のあとに続いて、走った。
【桐葉】「大丈夫。気を失っているだけよ。
・・・ごめんなさい。手加減できなかったわ。」
司は、翼ちゃんの体を桐葉から受け取り、翼ちゃんを抱きしめた。
翼ちゃんの顔を見つめる司。
翼ちゃんの頬に、もう、傷は無かった。
【司】「孝平。翼は・・・」
司の目に、涙が溢れる。
司は、理解していた。
翼ちゃんが、人間ではなくなっている事を。
だが、俺も司も、その事を口に出せなかった。
言葉にすれば、翼ちゃんが遠くに行ってしまう、そんな気がした。
東儀先輩、白ちゃん、陽菜、かなでさんも俺達の方へ駆け寄ってきた。
【征一郎】「紅瀬、無事か。」
【桐葉】「私は・・・、大丈夫よ・・・」
みんなが黙り込む。
俺達の周りの空気だけ、現実から取り残されているみたいだった。
何かが、微妙に、確実にズレ始めていた。
− くくっ。
駐車場に笑い声が響く。
− 私の僕(しもべ)を倒すとはな・・・面白い。
俺は声のする方を見た。
今まで、誰も居なかった駐車場の一角に、男が立っていた。
黒い服を着た男。黒いマントをつけている。
そして、大きかった。
身長が2メートルはある。
黒い服を着ていると言うより、闇を体にまとっていると言う感じだった。
その男の周囲だけ、闇が深い。
この男の前では、自分の存在など一瞬で消し飛んでしまう。
本能で、それがわかった。
この男は、・・・吸血鬼だ。
男が、桐葉を指差す。
【男】「お前は、誰の僕(しもべ)だ?」
桐葉が言葉に詰まる。
男が言う僕(しもべ)とは、眷族の事か?
驚きと戸惑いで、桐葉は何も言葉に出せない。
【男】「ふっ。まあいい。
体に聞いてみるか。」
次の瞬間、桐葉の体がぶっ飛んだ。
男の動きが、見えなかった。
男は右正拳突きを放った体勢のまま、ついさっきまで桐葉が居た場所に止まっている。
その10メートルほど先に、殴られて吹き飛ばされた桐葉が横たわっていた。
【孝平】「桐葉ぁ!」
俺は桐葉に駆け寄った。
倒れている桐葉を抱き寄せる。
左の頬が赤く擦り剥けていた。
桐葉が俺の手を握り締める。
【桐葉】「よけきれなかったわ・・・」
男が歩いて、俺と桐葉に近づく。
そして、目の前で立ち止まった。
【孝平】「桐葉をどうするつもりだ!?」
【男】「その女、『永遠(とわ)なる者』の僕(しもべ)だろう?
他の『永遠(とわ)なる者』の僕(しもべ)を喰らえば、力が増すのさ。
喰らってやるから、おとなしくその女を渡せ。」
言ってる事が無茶苦茶だ。
言葉の意味の一つ一つはわかるが、何も理解できなかった。
桐葉を食べる?
桐葉を渡せるわけないだろ!?
俺は、桐葉から手を離し、男の前に立ち上がった。
【孝平】「い、い、嫌だ。き、消えろ。」
絶望的なほどの恐怖だった。
気づかないうちに、目に涙が溢れる。
足がガタガタ震えてる。
情けないくらいに声は震えて、ほとんど声になっていない。
全身のアラームが、最大級のレベルで、死を告げている。
【男】「うるさい蚊トンボだ。」
男は飛んでくる蚊や蝿を追い払うようなしぐさで、俺をはたいた。
それだけで、俺の体は3メートルほど吹っ飛び、体がアスファルトに打ち付けられた。
ゴロゴロとアスファルトの上を転がって、俺の体はようやく止まった。
口の中に血の味が広がった。
【桐葉】「孝平!」
桐葉の叫ぶ声。
頭がガンガンする。
体のあちこちが痛い。体が震えて、立ち上がろうとしても思うように体に力が入らない。
立ち上がれないまま、声にならない声で叫ぶ。
桐葉に、桐葉に触るな・・・
桐葉に男の手が伸びる。
やめろ、やめてくれ・・・
その瞬間、男の体が弾き飛ばされた。
伊織先輩・・・
伊織先輩が、男の顔面にパンチを放っていた。
桐葉のそばに、伊織先輩が立つ。
【伊織】「汚い手で、紅瀬ちゃんに触るんじゃない。」
伊織先輩が、倒れている男を見つめて静かにそう言った。
【征一郎】「伊織。お前・・・」
そう言いかける東儀先輩の言葉を、右手を挙げて制する、伊織先輩。
【伊織】「征。話は後だ。
その前に、正義のヒーローらしい活躍をしないとね。」
冗談を言う伊織先輩の声に、いつもの余裕は無かった。
ゆっくりと男が立ち上がる。
男に対峙して、ボクサーのように伊織先輩が構える。
【男】「ほう・・・ようやく、『永遠(とわ)なる者』のお出ましか。
吸いたくもない女の血を吸ったりして、おびき出そうとしてたんだがな。
慎重な事だ。」
男がニイッと笑う。
禍々しい笑みだった。
そして、つぶやく。
【男】「どんなのが来るかと思ったら、ヒヨっ子か。」
その言葉が終わるか終わらないかのタイミングで、伊織先輩が男に向かって距離を詰めた。
男の体にパンチのコンビネーションを繰り出す。
左右のボディ、顔面、そのどれもが正確に急所を狙うものだ。
男はニヤつきながら、右手でパンチをガードする。
伊織先輩がさらにコンビネーションのスピードを上げていく。
男の顔から徐々に余裕が消え始めた。
【男】「くっ。」
ついに男は、左手も上げて、両手で伊織先輩のパンチをガードした。
伊織先輩は、後ろにさがって、男から距離を取る。
【伊織】「本番は、これからだ。」
伊織先輩は、ボクサーの構えを取りながら、ステップを踏んだ。
ひゅっ、と呼気を吐いて、再び男に詰め寄る。
男は両手で、次々と繰り出される伊織先輩のパンチをガードする。
先ほどのような侮りの色は、その表情に無い。
二人の攻防は、目で追えるようなものではなくなっていた。
突然、男の顔が、弾けて歪む。
男の意識をボディのパンチに集中させておいて、不意に伊織先輩が右上段の蹴りを放ったのだ。
その蹴りは、的確に男の左の頬を捉えていた。
男が膝を突く。
一呼吸おいて、男は、禍々しい笑みを浮かべた。
口の中に貯まった血を吐き捨てる。伊織先輩の蹴りで口の中が切れたようだ。
邪悪な微笑みを貼り付けたまま、男が立ち上がる。
伊織先輩をじっと見つめて、男は、ゆっくりとしゃべる。
【男】「活きが良いじゃないか・・・
嬉しくて、ぞくぞくするぞ。
お前の珠は、どうやら私達のとは、少し違うようだな。」
くっく、と男が含み笑いをする。
【男】「お前の胸を開いて、珠を喰らうのが楽しみだ・・・」
男は伊織先輩の胸を見据えてそう言った。
【伊織】「あいにく、お前にくれてやるものは何も無い。
男は嫌いなんでね。
あ、征は好きだけど。」
この状況でも冗談を言い放つ伊織先輩。
そして、それをスルーする東儀先輩。
【男】「ふっ。まあいい。
楽しみは、後に取っておく事にしよう。
『永遠(とわ)なる者』に、僕(しもべ)が一人。分が悪そうだ。」
男は伊織先輩から視線をはずし、桐葉が倒れていた方を向く。
桐葉が立ち上がっていた。
既に左頬の擦り傷は消えている。
いつもの凛とした光が、瞳の奥に光っていた。
男は、他のみんなが立ち尽くす方に眼を向けた。
【男】「いや、僕(しもべ)は二人みたいだな・・・」
静かに呟いた。
ふと、男は、恐怖で震えている陽菜に視線を止めた。
男が陽菜を見て、目を見開く。
【男】「その女、『記憶の珠(たま)』を持っているな・・・
マサヒトが、この島にいるのか!?」
震える陽菜の手に、緑色の光が輝いている。
立ち入り禁止区域で陽菜が見つけた、緑色の石だ。
すぐに、男の驚きの表情は、消えた。
そしてまた、禍々しい笑みが浮かぶ。
【男】「この島が、どうやら正解だったようだな・・・」
男はそう呟き、嬉しそうに、くくっと笑った。
再び、男が伊織先輩の方を向く。
【男】「精々、残りの命を楽しむがいい、『永遠(とわ)なる者』よ。」
男はそう言い残し、キャンプ場の森の、闇の中に消えて行った。
【桐葉】「孝平。」
桐葉が倒れているオレに駆け寄って来て、立ち上がるのに手を貸してくれた。
体の震えは止まっている。
幸いな事に失禁はしていないようだ。
アスファルトでいろんなところを、擦りむいていた。
体中のあちこちが痛い。
【桐葉】「無茶しすぎよ。」
心配そうに桐葉が言う。
【孝平】「全然平気だよ。桐葉より、体は丈夫みたいだ。」
【桐葉】「死んだら、どうするのよ・・・」
桐葉の目に涙が溜まる。
桐葉は、涙がこぼれる前に、俺を抱きしめた。
体中に激痛が走る。
桐葉の体温とジャスミンの香り、そして、体中の激痛で、ようやく生きてる実感が湧いてきた。
桐葉は、俺に肩を貸して、みんなのところに連れて行ってくれた。
【伊織】「元気そうだね、支倉君。」
【孝平】「まあ、ほどほどに。」
そう言って、俺は翼ちゃんを抱きかかえる司を見た。
司と目が合う。
司の目を見たら、司の言いたい事が伝わってきた。
気づいたら、それをそのまま口走っていた。
【孝平】「伊織先輩、眷族を元の人間に戻す方法って、知ってますか?」
どうすれば、翼ちゃんを元に戻すことが出来るのか・・・
先ほどの桐葉との戦いを見るかぎり、翼ちゃんはあの男の眷族にされている。
これは疑いようの無い事実だ。
【伊織】「支倉君。前にも言ったかもしれないが、俺達自身が、吸血鬼の事をよくわかっていない。ましてや眷族を持った事が無い俺に眷族の事を聞かれても、正直、正解は持っていない。ただ・・・」
伊織先輩はそう言って、言葉を切った。
言葉を切り出すのをためらっている。
少し時間を置いて、話を続けた。
【伊織】「可能性があるとすれば、主を殺すことだ。
主の呪縛が無くなれば、眷族は普通の人間に戻れるかもしれない。
だけど、主を殺すことで、どういう影響が出るかはわからない。
例えば、何百年も生きている眷族の主を殺したとして、その眷族はどうなると思う?
普通の人間のように暮らせるのかもしれないし、ひょっとしたら、一気に歳をとってしまうのかもしれない。主が死ぬだけで、死んでしまうのかもしれない。
それは、俺にはわからないんだ。それを試すのは、賭けでしかない。
あの男を相手にしてそれをやるというのは、無謀なくらいに、ハイリスクな賭けだ。」
伊織先輩は、俺の不安を全て見透かしたように、話した。
眷族の事は、確かに不確定要素が多すぎる。
そして、最大の問題は、あの男が倒せるのかということだ。
話を聞いて、一瞬、伊織先輩が言葉をためらったのが、わかる気がした。
桐葉の事だ。
桐葉の主を殺すとしたら。
それは、伊織先輩の母親かもしれない。
そして、もしそれが成功しても、結果は、悲しい結末なのかもしれない。
それが、伊織先輩を、ためらわせたのではないだろうか。
【征一郎】「伊織。いつからキャンプ場にいたんだ。」
【伊織】「今日、征が来た時に、俺もキャンプ場に来た。
そして、大体の話は、悪いが聞かせてもらった。」
【征一郎】「相変わらずだな。」
【伊織】「1週間前に水死体があがってから、吸血鬼の事は、ネットや島の一部で噂になっていた。それに気づいた俺は、あちこちで吸血鬼の情報を集めていた。そして、その存在を探していた。」
伊織先輩の目に怒りの色が浮かぶ。
ぎりっと奥歯を噛み、吐き出すように言った。
【伊織】「それにも関わらず、俺はあの男の存在を気づけなかったんだ。
八幡平の妹が眷族にされたのは、俺にも責任がある。
すまない、八幡平・・・」
司は黙って、首を横に振った。
【征一郎】「問題はこれからどうするか、だな。」
東儀先輩が話し出す。
【征一郎】「俺達は、瑛里華を母親から救い出したいということで千堂家を目指していたが、どうやら状況が少し変わって来ているようだ。」
少し考え込む東儀先輩。
【征一郎】「今の俺達の敵は、明らかにあの男だ。瑛里華の母親ではない。
そして、当面一番危険なのは、眷族と吸血鬼だ。
紅瀬、伊織、瑛里華、そして、伊織と瑛里華の母親だ。
あの男は、吸血鬼を『永遠(とわ)なる者』、眷族を『僕(しもべ)』と呼んでいた。
そして、他の吸血鬼の眷族を喰らう事で、力が増す、と言っていた。
八幡平の妹が紅瀬を襲ったのは、紅瀬を喰らうために、捕らえるよう命令されていた可能性が高い。」
俺は、桐葉を見る。
桐葉の表情は変わらなかった。
【征一郎】「そして、伊織の中に『珠』があり、それも喰らうと言っていた。
珠を喰らう目的は、眷族を喰らうのと同じ理由かもしれない。
そうなると、伊織、瑛里華、そして、瑛里華の母親にも危険が迫っていることになる。
このまま、瑛里華が何も知らずに屋敷に閉じ込められていれば、あの男に襲われる危険性は高い。
瑛里華を助けると言う意味では、目的は変わらない。
ただ、瑛里華は状況を知れば、一人で屋敷から逃げ出したりする事は無いだろう。
瑛里華の母親にこの危機を伝え、理解を得る事が出来なければ、瑛里華を助け出す事は出来ない。」
全員が、東儀先輩を凝視している。
【征一郎】「瑛里華の母親と対峙し、理解を得る。
あわよくば、瑛里華と瑛里華の母親の協力を得て、あの男を倒す。
これが今の俺達の目的と言っていいだろう。
眷族、吸血鬼でない者は、当面危険性は低い。今ならまだ安全な場所に戻れる。
よく考えて、各自、どうするか決めてくれ。」
沈黙が流れた。
司が最初に口を開いた。
【司】「低い可能性でも賭けてみる。」
【孝平】「俺は行く。」
【桐葉】「私も行くわ。」
桐葉がそういった後、白ちゃんがおずおずと手を挙げた。
【白】「兄さま。」
【征一郎】「なんだ。白。」
【白】「私、行きます。」
東儀先輩が、僅かに驚きの表情を浮かべる。
【白】「兄さま。私、一緒に行ったとしても足手まといになるかもしれません。
でも、私だけ安全な場所にいたとして、もし、私が捕まってしまって人質にでもされたら、私はもっと足手まといになってしまいます。
どうか、兄さまのおそばに置いて下さい。
私は、同じ危険なら、兄さまと一緒が良いのです。」
東儀先輩は、黙って白ちゃんの話を聞いていた。
そして、話が終わってゆっくりと言った。
【征一郎】「東儀家の当主は、代々、女だった。
白、今のお前を見て、今はその理由がわかる気がする。
俺からも頼む。
白、俺と一緒に来てくれ。」
【白】「はい、兄さま。」
白ちゃんは、ぱあっと嬉しそうに笑った。
【かなで】「私とひなちゃんも行くよ。
閉じ込められてるだけでも助けに行きたいのに、えりりんの命が危ないなら、なおさらじゃん。行かない理由が無いよ。
この島は、どこにいても、もう、安全なところなんて無いよ。
そして、あの男がもっと力をつけちゃったら、地球上に安全なところなんて無くなっちゃうよ。」
かなでさんの言葉に、俺達は息を呑んだ。
そうだ。
俺達があの男を止めなければ、もう、誰も止める事なんて出来ない。
限りなく重い現実を、俺達は、再認識した。
『FORTUNE・ARTERIAL』紅瀬桐葉(裏)ルート・7

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